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 : 副校長 着任挨拶
 投稿日時: 2020/08/21

<2020年8月20日 着任時のあいさつ>
私は2020年9月1日より、副校長として赴任した水野次郎です。2018年まで千葉県の中学校と高校で9年間、校長を務めていました。今まではモラロジー研究所という機関に勤めていましが、2年半ぶりに懐かしいホームグラウンドに帰ってきた気がしています。校長をする前には、ベネッセという会社に24年間勤務していました。最も長く担当したのは、キャラクター・しまじろうで知られる『こどもちゃれんじ』という雑誌の仕事です。初代編集長から10年間、雑誌作りを担当したしました。興味がある人には、雑誌が誕生した時の話など、お聞かせしたいと思います。

島根県には2週間ほど前に、初めてきましたが、スサノオノミコトと同じように、とても清々しい土地であることに感銘いたしました。出雲大社とともに、高校野球で知られる開星高校の名前はよく聞いていて、とても元気のよい学校だと思っていました。前回来た時には全クラスの授業を見学しましたが、あなたたち生徒が真剣に取り組んでいる姿を見て、新たに加わった印象が気持ちの良い学校だということ。そのような本校と、こうして縁が結ばれたことを、とても嬉しく思っています。
今年はコロナで学校も不自由を強いられ、あなたたちにとっては青春時代の貴重な時間が奪われて、本当に気の毒です。そこで自己紹介代わりに、始業式では私が直前まで仕事をしていた、キャリアコンサルタントについて紹介しましょう。「キャリア教育」という言葉がありますが、若い人の進学や進路などを応援する仕事、それがキャリアコンサルタントです。私は中学校と高校に勤務していた時、個別に生徒の進路支援をしていて、とてもやりがいを感じていました。そこで校長の仕事をしながら、キャリアコンサルタントの国家試験に挑戦したのです。受験に臨む高3生と張り合うような感じですが、かなりハードな受験勉強だったと言えるでしょう。
生徒へ進路支援をしたきっかけは、最初に勤めていた千葉県立柏井高校での経験です。バレーボール部がとても強い学校で、『春高』という全国大会、つまり野球でいう甲子園でベスト4になるような学校でした。そうしたアスリートたちが高校を卒業した後、スポーツの経験を活かしてどのような進路を歩んでいくのか。進学するための目標づくりや、具体的な進路選択と受験対策の応援をしたのです。結果として、その高校では始まって以来の早稲田大学や立教大学、青山学院大学といった有名な大学へ次々と進学していき、次は世界を舞台とした新しい未来を目指していく生徒たちが次々と現れました。そうしたグローバル志向の一方で、看護師や先生など、地域を支えるスペシャリストの道を選ぶアスリートたちも、たくさんいました。このように、生徒たちがどんな未来を描いていけばよいのかという相談を受けながら、力強く進路を切り開いていく姿を見ては、とても頼もしく感じたものです。
もちろん、運動部の生徒だけではありません。今のように変化が激しく、先の見通しが立てにくい時代には、どのような進路を選ぶのが正解なのかということは、誰もが悩んでいると思います。AにしようかBにしようか…、迷う人の方が多いとも言えるでしょう。そうした生徒たちに、私は毎年30人から40人くらい向き合って、進路指導の先生や担任の先生方とともに、相談に乗っていました。まさに校長室が、コンサルティングルームのような感じだったでしょうか。そして千葉県の教員を退職した後に、キャリア支援に専念しようと考え、麗澤大学の関連法人であるモラロジー研究所で、キャリアコンサルタントの仕事に就いていたのです。すると再び、こうして中学、高校の現場に戻ってくることになり、たいへん嬉しく思っています。

生徒の進路支援で、私が最も大切にしている言葉は、希望です。人が希望を持つのは、他人の言葉によることが大きいです。しかも生身の言葉です。その大切さに気付かされた、最近のエピソードを紹介しましょう。私が勤務している研究所では、先日は沖縄を発信地としたZOOM会議をしました。また東京の大きな企業に勤めている友人たちは、週に1日位しか会社に行っていないと言っています。このように情報のやり取りという面で、以前は想像できないほど便利になりました。これからは、さらにこの傾向は強くなっていくことでしょう。
しかし、あなたたち中学生・高校生に勇気を与える言葉は、先生や仲間から体温と鼓動を感じながら投げかけられる言葉ではないでしょうか。相手の気持ちを思いやって、言葉ひとつで勇気を授ける、それが言葉の可能性なのだと思います。お互いがお互いの気持ちをケアし合い、クラス全体が、学校全体が、いつも希望を語り合っている学校、それが理想の空間なのだろうと、私は思っていますし、そのような場面に何度も出会ってきました。
ですから私自身、開星中学高校の一員として、あなたたち生徒と先生方、そして関係者が昨日より今日、今日より明日、より大きな希望が持てる場になるよう、力を尽くす気持ちでいっぱいです。この開星中学高校という場が、あなた方一人ひとりにとって、もちろん先生方にとっても、希望を膨らませる場であり続けるよう、私は力を尽くしていきます。あなたたち一人ひとりの希望を膨らませていくお手伝いをしていくので、どうぞ気軽に声をかけてください。
では、まだしばらく特別な1年が続きますが、明るく元気で前向きに、大きな希望をもって学校生活を過ごしていきましょう。よろしくお願いいたします。