KAISEIブログ
開星中学校・高等学校の『建学の精神』は、『品性の向上をはかり、社会の発展に役立つ有望な人材を育成する』というものです。この建学の精神を具現化するために、日々の教育活動に取り組んでいます。
では、この建学の精神を具現化するための教育方法に唯一絶対の方法はあるのでしょうか。答えは、無いと考えています。生徒一人ひとりが違い、生の人生が全て異なっています。その生徒たちの人生にとってどのような教育が最高の教育なのか考え続け、いろいろな取り組みを行っています。
そして、生徒に必要な知識や知恵、経験は、けっして普段の授業や部活動だけで得られるものではないと考えています。だから、さまざまな特別活動に取り組んでいます。
この演劇鑑賞もその1つです。総合芸術と呼ばれる演劇を鑑賞することは、生徒にとって有意義なものとなると考えます。普段の授業では、問題の答えを求めることが必要ですが、この演劇などの芸術活動は、答えを創り出すことが求められます。しかも、その答えに絶対の正解は無いのです。
演劇を見て「面白かった」と思ってもらうのも嬉しいですが、生徒の心に何か少しでも残るものがあれば良いなと思います。
会場はプラバホール。普段と場所を変え、活動することも刺激になります。そして、このような素晴らしいホールが、すぐ近くにあることは素晴らしいことだと思います。
そしていよいよ開演。
タイトルは「ジャンヌ・ダルク ージャンヌと炎」。
演じてくださるのは東京演劇集団「風」。
突然客席から表れた役者の方々。演劇は、何でも有りです。観客の期待を良い意味で裏切って驚いてもらうことも必要です。演劇の中で伝えたいことを表現するために、いろいろな新しい演出が生み出されています。
役者は舞台にいるものだ、と思い込んでいた生徒はかなり喜んでいました。
舞台装置、衣装、音楽、照明、全てに意味がある。
授業と一緒ですね。先生たちが、黒板の前でする全ての動きに、「分かってほしい」という思いがあります。
小道具が大道具になり、舞台装置が変化していく。ものの使い方も、舞台の上では決まりが無い。実際の世界でも、自分たちで思い込んでいるだけで、ほんのちょっと使い方を変えるだけで素晴らしいものが生まれたりすること、ありますよね。それを、考えて考えて狙ってやるのが演劇。
実際に存在しないものも、舞台の上なら何でもあり。伝えたいことを表現するために、実際には存在しないものを生み出すことが必要です。
新しいものを創り出す力も同じですね、今は無いものを生み出すので、常識にとらわれていたら無理です。
虚構と現実、現在と過去、過去と未来なんていうものを表現するためにこんなこともできちゃいます。人形が意味するものは何だったのでしょう。
舞台装置も工夫されています。説明が無くても、そこがどこなのか分かってもらわなければならない。遠く離れた空間を、数メートルの舞台に表現しなくてはならない。やり方はいろいろ。これも自由。
そう、工夫さえすればこんなことも表現できる。
もう一回続きます。