KAISEIブログ

 : ダスティン先生が日本一に。外国人弁論大会で優勝!
 投稿日時: 2012/11/07


10月24日木曜日
出雲を主会場に開催されている「しまね神話博」の中で、文部省・文部科学省後援、日本弁論連盟主催の「外国人による『日本への提言』全国弁論大会」で、本校職員のダスティン先生が優勝されました。

ダスティン先生の発表の全文と、発表のときのダスティン先生のようすをご覧ください。
※この原稿は、筆者であるダスティン・キッド個人の見解であり、必ずしも筆者の勤務先である開星中学・高等学校の方針や意見を代表するものではありません。

日本の教育現場に提言
Dustin John Kidd

私は1年間の留学と12年間の仕事を合わせて、13年間日本で暮らしています。その13年間の中で、幼稚園児から短大生まで教えた経験があります。いろいろな教育現場をアメリカ人の立場から見てきました。身近な問題だけあって、いくつかのことに対して疑問を持っています。そこで、私なりの一つの提言を述べたいと思います。

I. 学校は権限を越えている
 
夏休みや冬休みになる前に、学校では「休みの過ごし方」というようなチラシを配り、全校集会を開き、その休み期間をどう過ごすべきか話があります。全校生徒の前で生徒指導の先生などがそういった話をするのはいいのですが、そのチラシの内容はいかがなものかと思います。外泊禁止、門限、行っていい場所と悪い場所など、いろいろな項目が細かく決められています。「本当にここまで学校は首を突っ込んできていいものなのか」と常に思います。こういったことは学校ではなく、保護者が決めるべきではないでしょうか。教育というのはある意味、子供を学校に預けているわけですが、それは学校にいる間は学校側に指導したり、生活のことを決めたりする権限があると思います。しかし、本来は学校を出たら、保護者が決定権を持っているはずです。家のことは学校が決めるのではなく、保護者に託すべきです。
しかし、これはもう一つのことと深いつながりがあって、悪循環を作っています。

II. 保護者は学校に任せすぎ

島根県の教育委員会のある会議で、私は学校は権限を越えているのではないかと問題提言をし、続いてその理由を尋ねました。そこで出た答えが大変不思議なものでした。「実は、保護者から具体的に学校から出してくれというお願いがありました。学校からこういうのが出れば、子どもには『だめだよ』と言いやすくなりますから」と。私は愕然としました。保護者が責任を持ってやるべきことを言えないからと言って、学校に任せるとはいったいどういうことでしょうか。不思議ですね。学校に対して「モンスターペアレント」が増えている世の中なのに、自分の子どもに何も言えない。保護者としてなっていません。学校もこういうところを「保護者としての責任なので、そちらでやってください」という強い姿勢をとらないといけません。何もかも言われっぱなしだと、学校は本来のやるべきことを見失います。

III. バイト禁止はやめるべき

日本の高等学校のほとんどはバイトを禁止しているか、もしくは許可制にしています。私はそれが各学校の方針だと思いましたが、最近それは学校というより、県の教育委員会からの指示から来ていることがわかりました。さっきの「権限を越えている」テーマにもつながりますが、それよりバイトを禁止している根拠は何なのか、理解できません。学校に通いながらバイトをすることは、時間の管理が必要となってきます。そういう力を身につけるいい機会です。また、高校という場所はある意味閉じられた世界であり、生徒は狭い社会の中にいます。もちろんその社会でも上下関係など、大事なことをたくさん学べますが、バイトの経験を通してさらに幅の広い世界を経験でき、新しい刺激を受けられます。そしてなにより、金銭感覚を身につけられます。もちろん金欲しさだけでバイトをすることはよくありませんが、親にお小遣いをもらっているだけで、金の本当の価値をわかりません。働いてみて、汗と労力で初めて給料を得たとき、そこでお金とはどういうものか、理解し始めるのです。すべての生徒がバイトを始めるべきとは言っていません。ただ、その選択権は生徒と保護者のほうにあるべきです。

これ以外にも、教育現場が抱えている問題はたくさんありますが、このように学校の姿勢を変えれば、学校が本来の権威を取り戻し、子ども達をしっかりと教育して、もっと強い学校ができるはずです。その上に、家庭の教育力も取り戻せるので、日本の将来を担う次世代をもっと強くできると思います。(終わり)


得意の日本語で発表するダスティン先生。


大舞台で堂々と発表するダスティン先生。


神妙には結果発表を待つダスティン先生。


優勝が発表された瞬間「え!?、マジで!?」のダスティン先生。


「ホントに〜〜」のダスティン先生。


「いやいやいや、ありがとうございます〜」のダスティン先生。


「本当に僕でいいんですか〜?」のダスティン先生。


こらえ切れず笑うダスティン先生。


堂々と、感謝の言葉を述べるダスティン先生。

ダスティン先生、おめでとう!!