KAISEIブログ

 : 俳画作品 後半の部【水野副校長ブログ】
 投稿日時: 2021/02/16


3年生の卒業式が迫ってきました。今、教室があった1回のオープンスペースには、俳画作品が展示されています。展示物を自分自身で見る機会は少なかったかもしれませんが、時おり下級生が足を止めて見ています。

あざやかな 秋が色どる 帰り道

桃の花 はだ寒い風 横を切る

銀杏を 踏んだ今年の 大後悔

冬椿 咲くも落ちるも うつくしい

今回の作品が、前回と違っているのは、画用紙を盾に使う作者が多かったこと。前回は31作品すべてが、横使いでした。今回は16作品が横、縦遣いが11作品だったというのは、どのような理由なのでしょうか。興味深いところです。


秋つれて この指とまれ 赤とんぼ

秋の風 紅葉枯れて 散ってゆく

秋の暮 一輪輝く 菊の花

外みれば 色とりどりの 紅葉かな

こうようじゅーたん 一歩一歩 踏み進む

足もとや 紅葉じゅうたん 踏みしめる

歌のモチーフも、大きな特徴がありました。秋という言葉を直接使っている作者も少なくなく、また紅葉がモチーフにされている作品も目立ちました。前半は向日葵や太陽、麦畑が描かれた風景が目立ちましたので、季節の移ろいが感じられますね。


松江見い 松江を探訪 くわしくね

秋風や 不逞に動く 象の花見

盆休み 家族と一緒に 会いに行く

グランドを もみじの舞うや 我も舞う

冬の風 年の終わりを 告げてくる

こちらの5作は、盆休みから冬の風、また象という対象も珍しいですね。最近、何か象にまつわる体験があったのでしょうか。創作の背景を、聞いてみたいところです。


日に焦げて 光灯もるや あかもみじ

僕の恋 落ち葉とともに 散ってゆく

天の川 夏夜に流れる 星の夢

秋来たお 強風マンジ 寒いなう

飛行機雲 赤くそまって 美しいな

秋の空 鳥の戯れ 楽しそう

上の1枚と合わせて最後の2枚は、とても豊かなバリエーションで、思い思いに題材を取り上げた自由さが感じられます。紙に向きあって悩んだことも少なくなかったと思いますが、楽しかったのではないでしょうか。卒業してから、再び手がける機会は少ないかもしれませんが、例えば友だちに絵手紙で俳句を添えてみるなどしてみても、楽しいと思いますよ。日ごろ、スマホでの連絡が中心でしょうから、とっても新鮮ですし、私だったら受け取った時に嬉しいと思います。新しい表現手段の、レパートリーとして使えるようになると、素敵ですね。


ドラエモン 肌の色が 紅葉だな

空高く 緑いっぱい 田舎町

ぬるぬると 歩いている なめくじは

雀たち 朝日とともに 顔を出す

紅葉だ 青空満開 まぶしいな

うろこ雲 風が走る きれいだな