KAISEIブログ
3年生の卒業式が迫ってきました。今、教室があった1回のオープンスペースには、俳画作品が展示されています。展示物を自分自身で見る機会は少なかったかもしれませんが、時おり下級生が足を止めて見ています。
あざやかな 秋が色どる 帰り道
桃の花 はだ寒い風 横を切る
銀杏を 踏んだ今年の 大後悔
冬椿 咲くも落ちるも うつくしい
今回の作品が、前回と違っているのは、画用紙を盾に使う作者が多かったこと。前回は31作品すべてが、横使いでした。今回は16作品が横、縦遣いが11作品だったというのは、どのような理由なのでしょうか。興味深いところです。
秋つれて この指とまれ 赤とんぼ
秋の風 紅葉枯れて 散ってゆく
秋の暮 一輪輝く 菊の花
外みれば 色とりどりの 紅葉かな
こうようじゅーたん 一歩一歩 踏み進む
足もとや 紅葉じゅうたん 踏みしめる
歌のモチーフも、大きな特徴がありました。秋という言葉を直接使っている作者も少なくなく、また紅葉がモチーフにされている作品も目立ちました。前半は向日葵や太陽、麦畑が描かれた風景が目立ちましたので、季節の移ろいが感じられますね。
松江見い 松江を探訪 くわしくね
秋風や 不逞に動く 象の花見
盆休み 家族と一緒に 会いに行く
グランドを もみじの舞うや 我も舞う
冬の風 年の終わりを 告げてくる
こちらの5作は、盆休みから冬の風、また象という対象も珍しいですね。最近、何か象にまつわる体験があったのでしょうか。創作の背景を、聞いてみたいところです。
日に焦げて 光灯もるや あかもみじ
僕の恋 落ち葉とともに 散ってゆく
天の川 夏夜に流れる 星の夢
秋来たお 強風マンジ 寒いなう
飛行機雲 赤くそまって 美しいな
秋の空 鳥の戯れ 楽しそう
上の1枚と合わせて最後の2枚は、とても豊かなバリエーションで、思い思いに題材を取り上げた自由さが感じられます。紙に向きあって悩んだことも少なくなかったと思いますが、楽しかったのではないでしょうか。卒業してから、再び手がける機会は少ないかもしれませんが、例えば友だちに絵手紙で俳句を添えてみるなどしてみても、楽しいと思いますよ。日ごろ、スマホでの連絡が中心でしょうから、とっても新鮮ですし、私だったら受け取った時に嬉しいと思います。新しい表現手段の、レパートリーとして使えるようになると、素敵ですね。
ドラエモン 肌の色が 紅葉だな
空高く 緑いっぱい 田舎町
ぬるぬると 歩いている なめくじは
雀たち 朝日とともに 顔を出す
紅葉だ 青空満開 まぶしいな
うろこ雲 風が走る きれいだな