KAISEIブログ

 : 未来を切り開く「カン・カラ・コ・モ・デ・ケ・ア」【水野校長ブログ】
 投稿日時: 2021/09/13

入院する前日、3学年の矢頭先生と女子生徒が校長室にやってきて、生徒から一枚の作文を預かりました。私が担当することになっていた彼女が「入院される前に…」ということで、間に合うように持ってきてくれたのです。そこで私が大学時代に学んだ作文術を、矢頭先生経由で伝達いたしました。その作文術が写真の「カン・カラ・コ・モ・デ・ケ・ア」であり、考案者は毎日新聞の名物記者だった故・山崎宗次さん。その昔、話題になった「事件記者」というテレビドラマのモデルと言われた人物です。山崎さんは毎日新聞社会部記者時代に、数々のスクープを飛ばしたうえ、連載記事でも健筆をふるわれました。その山崎さんが、記者の仕事とともに力を尽くされていたのが後進の育成。マスコミの道を目指す大学生を対象に「山崎塾」(学費はゼロです)を開き、ジャーナリストの心得や作文技術などを指導してくださっていたのです。私も大学4年生の1年間通いましたが、4月に数十名いた仲間は、卒業時には数名まで減っていたでしょうか。それほど、毎週出される課題作文は厳しかったのですが、さまざまなことを教えていただきました。山崎さんが考案された「カンカラコモデケア」という文章術は、今でも物を書くときに頭に思い起こす、私の指針でもあります。検索するといくつかのサイトに書かれていますので、ぜひ一読してみてください。
「山崎塾」では、山崎さんが教えた新聞・雑誌記者やテレビマンなどが、毎週のように講義に来てくださいました。そして私が千葉県で校長をしていた10年ほど前のこと、その中のお1人と、中学校の行事で巡り合ったことがあります。何と彼のお孫さんに当たる中学生に、たまたま私が講演をする機会だったのです。思わぬ偶然に「人との出会いの愉(たの)しさ」を感じたひとときでした。これから試験に臨む生徒諸君に参考になればと思い、明日以降、この作文術について解説いたします。