KAISEIブログ

 : 開星生のあたたかい心~敬老作文コンクール
 投稿日時: 2022/09/14

今年も敬老作文コンクールに生徒が取り組み、それぞれの作品が提出されました。30点ほどの候補作の中から選ばれた優秀受賞者の朗読。続いて主催団体である、松江モラロジー事務所の赤木様よりご挨拶をいただきましたが、放送でしか披露できなかったのは残念です。せっかくの受賞ですから、全生徒の前で表彰できると良かったですね。赤木様からは「高齢の方々とのかかわりを通して、自然に尊敬や感謝の気持ちを抱いていることが素晴らしい」と、お話しいただきました。また、戦争体験を積極的に聞きに行ったという作品について、そうした行動力の価値。とくに平和が当たり前な時代に生きているからこそ、体験してほしい学びだというお話に、私も深く共感した次第です。写真の30名の作品の中から、高3生の吉川さらささん、高2生の神原航大くん、中2生の坂本真蒼さんが優秀賞を受賞しました。おめでとうございます。

私も候補作すべてに目を通しました。遠く離れた地で暮らす、祖父母の方を思いやる作文が多かったのは、コロナの時期ならではの特徴と言えるでしょう。早く自由に会える日が来ると良いですね。逆に、身近で暮らしているからこそ「送り迎えでお世話になっている」。「美味しいものを作ってくれる」といった、感謝の気持ちを表わす文章もあり、心が温かくなりました。また身内ではない、近所のご老人の献身的な振る舞いや、震災や戦争など、特別な経験をした人を敬うべきという内容も印象に残っています。「おじいさん、おばあさんとのかかわりを通して、人生の目標ができた」という生徒も複数いました。ぜひ、夢をかなえてください。亡くなった方の思い出も綴られていましたが、身体が弱くなった方をいたわる優しさも、さまざま表現されていました。「足の悪い祖母と歩くと、いつもとは違った時間が流れるのが好きです」という表現は、肩を並べている場面が目に浮かぶようです。

その一方で「本当に元気な104歳」であるとか「定年後も頑張っているおじいちゃん」「シニアの卓球大会で全国を飛び回っているおばあちゃん」といった文章を読みながら、私自身も頑張らなければと、励まされた気がしています。最後にもう一つ「この作文を書くのは3回目だが、私は祖父母のことを書いたことがない。理由は好きでなかったから」という鮮烈な書き出しの作品もありました。こうしたコンクールでは見かけない言い回しですが、最後に自分自身の反省と、祖父母への決意で締めくくられていて、陰影がくっきりと浮かぶ描写力は、さすがに高校3年生ですね。いずれも書き手の個性がとてもよく表れている文章ばかりで、来年はいったいどのような作品に出合えるのか。今から楽しみにしています。