KAISEIブログ
先日、ビブリオバトルの表彰をお伝えしましたが、本校では實重先生が図書活動を活発に推進していて、本当に心強く感じています。こうした心の成長を支える恵まれた環境を、生徒諸君にはぜひ、活かしてください。高校時代における読書の意義は、計り知れないほど大きなものがあります。ある1冊が、人生の方向性を変えるというのは私自身の経験でもあり、そうした生徒に何人も出会ってきました。今月の初めに行った「コミュニケーション講座」で紹介した中にもそんな本が含まれていて、實重先生がさっそくエントランスに展示してくれています。
ここに並んでいる本は、一部の例外を除いて新しい社会の動きや、専門分野の入門書的な論考が中心です。知識という観点で言えば、わざわざ本のページをめくらずとも、ネットで検索すれば知れることもあるでしょう。しかしコミュニケーション講座の時に、進路指導部の石川先生が、次のように話しをしていて印象に残りました。「単なる事実だけであれば、インターネットで知ることができます。しかし本当に知るべき内容は、その周辺にあることが多く、それは本からしか得ることができません。だから私も、皆さんに読書を進めているのです」と。これは私もまったく同感で、著者がたどった思考の道筋。つまり結論に行きつくまでに、何を選択して何を切り捨てたのか。その経過を追体験することが、自分が持っていなかった新たな思考回路を育てるのでしょう。こうした論考とともに、小説の価値についても改めて私見を述べたいと思います。