KAISEIブログ

 : つくば 2月3日 筑波大学2日目
 投稿日時: 2015/02/04

今、日本では『教育改革』がかなりのスピードで行われています。
そして、その中でも最も大きく改革される分野の一つが『高大接続』です。

今の小学6年生のみなさんが大学受験をするときには『センター試験は廃止』されています。
そして、その廃止以前から『大学入試改革』が始まります(始まっています)。

開星中学校・高等学校では、その高大接続を模索するために、多くの大学や研究機関、企業とともに生徒の校外研修プログラムや授業を開発してきました。

その最新作『開星SSHつくば研修?(ツー)』をご紹介します。
まずは↓こちらかだご覧ください。
つくば 2月2日 筑波大学1日目(Click!)

いよいよ筑波大学での実験2日目。

昨日の振り返りと、今日の実験の概要、そして午後からの成果発表について。
高校の物理で学ぶ知識を、実際に実験で確かめ、そして社会にどのように貢献しているのかを確かめます。

高校で学ぶ知識は、決して大学受験のためにあるのではなく、その知識を活用することで社会は支えられ発展していきます。
大学入試改革では、覚えた知識を思い出すテストではなく、覚えた知識を活用することが求められます。


「見る」方法は一つではありません。
ここにあるグラフは、高校で習う物理現象を利用して得たデータです。
このグラフの中には、目には見えない世界の情報を含んでいます。

データは科学者にとっての景色のようなものかもしれません。
その景色から、自然の法則を導こうと考えます。


そして、今日遣わしていただける実験機器のところへ。

「新しい発見」は、その他の多くの「新しいもの」の開発によってなされます。
どんな小さな発展でも、その他の多くの発展に支えられています。

「自分には関係ない」ことは、実は世の中にはほとんどありません。


たとえばこの「ラマン分光器」。
素晴らしい精度でデータを検出することができますが、この機器が作れたのは「レーザー発振器」や「回折格子」、「制御するソフトウェア」の発展に支えられています。

そして、この新しい機器から生まれた発見が、その次の新しい技術や素材を生み出します。
学校で習うことは、すべて今までの社会の発展に役立ってきた知識。
これからの生徒には、その知識を使って新しい何か(どんなものでも良いです)を作り出す力が求められます。


ということで、その実験装置の中のようす(の一部分)。

ちょっと前まで、このレーザー光を作り出すことも難しかった。
新しいものは、必ず次の新しいものを生み出す力になります。


そしてディスカッション。
ここまでの振り返りと、発表の準備に入ります。

たとえ高校で習っていなくても、調べて、読んで、考えて自分の知識とすることができます。
たとえ今は分からない計算式が多くても、いつかその計算式を使いこなせるようになっとき、分かるようになります。

学ぶのに、「遅すぎる」こともないし「早すぎる」こともありません。


今まで開星の「科学探究」の授業で鍛えてきた力が役に立ちます。

新しいものを「つくる力」
周囲の人と「つながる力」
困難を「もちこたえる力」


ディスカッションはとても大切。

歴史に残る多くの発見が、他者との議論の中のヒラメキで生まれました。

でも、この「話し合う」ことも最初は困難がありました。
今までの学校教育の多くが「正解を出すこと」が求められてきました。だから話し合いはときに相手の考えを非難する方向に進みます。
でも、これから必要な力は「正解を作り出すこと」です。だれも正解を知らないことに対して、答えを作り出すためには、「話し合う」ことが必要です。


ということで話し合ってみました。
時々、大きく間違った方向に行きそうになっても、誰かが「ちょっと待って」と言えます。
そして、その「ちょっと待って」に対して真剣に耳を傾け、また考えます。
みんな正解が分からないのだから当然です。


そしてプレゼンテーション。

自分の考えを相手に伝えること、そしてそれをしっかり聞くこと。
どちらも大切な能力であり、身に付けることができる「技術」です。

「技術」ですので、どんなに苦手な生徒でも身に付けて、使うことができます。


そしてこれがそのようす。
まだまだですが、頑張りました。
(すみません、前半ピントが合ってません)


そしてまたディスカッション。

新しいことを学んだときや、発表を聞いたとき、「疑問」が生まれるはずです。
その「疑問」は次の新しい発見のための芽です。

「疑問」が生まれれば「だったらこうしてみよう」が生まれます。

疑問を持たずに受け入れることを「鵜呑み」といいますね。


ご協力いただいた筑波大学の児島先生、島根大学の塚田先生、筑波大学の大学院修士1年の国府田さん、本当にありがとうございました。


さあ、明日は次の研究施設だ!