KAISEIブログ
新しい時代を切り開く生徒たちに、今まで通りの教育で良いのかどうか。
では、新しい時代にふさわしい新しい教育とはどのようなものなのでしょうか。
少子高齢化などの社会構造が大きく変化する現代において、「今までのままで良い」という考え方は危険かもしれません。今まで誰も経験したことのない状況を日本はこれから経験していきます。
ひょっとしたら、島根県ではそれがいち早く進んでいるのかもしれません。
その中で、開星中学校・高等学校は、これまでの「道徳教育」や「文武両道」に加えて「先進教育」について取り組んでいます。
ということでつくば研修?(ツー)の3日目。
↓その前にこちらをご覧ください。
つくば 2月2日 筑波大学1日目(Click!)
つくば 2月3日 筑波大学2日目(Click!)
今日は研究施設と、企業を訪問します。
まず一つ目は。
こちら「不独立行政法人 物質・材料研究機構」です。
「明日を創る材料研究」を行っています。
新しい製品には、新しい材料が必要です。
新しい材料の発見が、世の中のようすを一変させることもありますよね。
たとえば青色LED。強力な永久磁石。超合金。
金属材料の「粘り強さ」を調べる実験を体験しました。
シャルピー衝撃試験といいます。
ものすごく大事な試験です。
その材料が使われるとき、十分な性能があるかどうか試験します。
たとえば、ほんの数十年前まで「金属が低温になるとものすごく脆(もろ)くなる」なんてことはわかってなかったのです。
理屈を理解するための知識は、高校物理の最初の方で習います。
中学校でも習う「力学的エネルギーの保存」です。
教科書に載っている知識は、世の中ですでに使われているもの。
学校で習ったことは、だから必ず役に立つ知識なのです。
この部分に試験片を置きます。
試験片の形状、おき方は厳密に決まっています。
JISマークを見たことがありますよね。
日本工業規格のマークです。
この規格にそって厳密に決められています。
そしてこのレバーを押すと、奥の大きな金属が・・・
ぐるんと、振り子のように回って試験片を切断します。
この巨大な金属の塊が、、、
写真中央の試験片をまっぷたつ。
その前後の振り子の角度を測って、試験片を破壊するためのエネルギーを求めます。
動画でどうぞ。
試験片を置くのに手間取ると、試験片の温度が変わってしまう。
これは液体窒素で冷やした金属。
これが試験後の金属。
断面の形状からも材料の評価ができます。
金属の「粘り強さ」は、含まれる元素の割合や、結晶の大きさ(一様ではなく、小さな結晶の集まり)で変わります(ほかにもありますが)。
続いては世界最長のクリープ試験について。
発電所などで使われる金属には、長い間強い力と高温に曝(さら)されるものがあります。
たとえばそのような金属材料を、使われる場所と同じように、長時間強い力をかけ続ける。
しっかりした製品を作るためには、このような試験を行って強度が確かめられた材料を使わないと信頼されませんよね。
このすごい数の試験片が実験中。
次は電子顕微鏡の施設。
実際に電子顕微鏡の特徴がよくわかる試験片を用意していいただきました。
その画面がこちら。
上が銅。下がアルミニウム。
重たい元素が白っぽく映る。
境界面は合金になっています。
表面を観察することで、その材料の評価を行えます。
(どんな元素が入っているかもわかるそうです)
次はロボット。
筑波大学発の企業「CYBERDYNE」へ。
これがありました。
引率教員「これが見たかった!」
生徒たち「違います」
そうです、これを見に来ました。
「HAL(ハル)」。
こちらは介護やリハビリのための装置。
ドイツではすでに保険が適用される医療器具だそうです。
体験してみました。
これがすごいのは、筋肉を動かそうとする「脳からの信号」をキャッチして動くところ。
つまり、脳梗塞等で体に麻痺のある方でも、これを装着すると動く訓練ができる。
何のために勉強するのか、答えの一つを理解したような日でした。