世界人権宣言は、第二次世界大戦の惨劇を二度と繰り返さないという反省からうまれました。人権の軽視が戦争につながり、戦争によってさらなる人権の侵害を招くという悪循環を断ち切り、世界平和の実現のために、世界中の国々が協力して人権を守ることを決意したのです。すべての国と人が達成すべき「共通の基準」を示したのが、世界人権宣言といえます。
世界人権宣言が採択されて76年、今も世界では各地で紛争が起きており、多数の人権侵害が報告されています。紛争によって大勢の人々が住む場所を失い、自由に生きる権利が脅かされています。故郷を追われた人々は失業し貧困状態に陥り、家族の1日の食時をまかなうことにも困る生活を続けています。また、紛争により多くの学校が休校となったり、校舎が攻撃によって破壊されたりすることで、子どもたちの教育を受ける権利と機会が奪われています。人権と尊厳を最優先し、根本的な原因を特定するとともに、戦争の種が芽を出すのを防ぐような和平の連続体を全体から捉える視点が必要ですね。