私たちは、毎日の生活でしばしば「人権」ということばを目にしたり、聞いたりすることがあります。「一人ひとりの人権を尊重しよう」、「人権侵害を許さない」、「子どもの人権を守ろう」など、人権ということばが出てくる場合は様々です。けれども「人権」ということばがどういうことを指しているか、はっきりしている場合ばかりではありません。その時々の雰囲気で、気持ちで、「人権」ということばが使われていることもあるようです。

人権は、人が社会で人の尊厳にふさわしい生き方を可能にします。人の尊厳が守られてはじめて、人は社会の一員としての役割を果たすことが出来ます。すべてにおいて恵まれた生活が可能な社会で人間としての尊厳を守れないような生き方をせざるをえない人がいるというのは、豊かで幸せな社会とはいえません。また、人権は人それぞれの資質や能力を生かして自分本来の生き方や成長を可能にする(自己実現)ために必要です。自分の生き方を責任を持って選ぶことが人権なのです。