KAISEIブログ

 : 校長日記508「世界人権デー」
 投稿日時: 2024/12/10

12月10日、本日は「人権デー」です。私たちが人権問題や差別ということを考えるときには、往々にして、あからさまな攻撃的なことばかりを考えます。自分はそんなことはしない、関係ないと思ってしまいがちですけども、気づかないことで、結果として排除してしまったり傷つけたりしていることがあります。グループに入れない人たち、排除されてしまう人たちを生み出すことになっているのではないかということです。このことは人間というのはそういうものだと、差別したらいけないのではなく、人間は差別する生き物で、それは内心の自由があるからと片付けるのではなく、人はぞれぞれ1億人いれば1億通りの生き方がある、行動や言葉で他者を傷つけたりしていないか? 自分で問い直すこと、気付くこと、気付かなければダメです、気付かい人はアウトです。

私たちは社会で起きる出来事を目の前にして、「自分一人がやったって」と思ってしまうようなこともあるかと思います。本当に無力感を感じることもたくさんあります。しかし、だからといってやめてしまうのではなく、ほんの小さな一歩でも前に進むことが必要です。そのような行動をとるか否かによって、その後の状況がずいぶんと変わってくるのではないでしょうか。ひょっとしたら、私たちが生きている間に社会は大きく変わらないかもしれません。でも、その思いを、「時間を超えて」次の世代に伝えてくことで、少しずつでも変化が起き、少しでも多くの人が笑顔になり、幸せに生きられる社会になっていけば、それこそが、私たちが人として、この社会に生きる大きな意味なのではないかと思います。

人権とは、人が生きる権利と言われていますが、単に生きられればそれでいいというものではありません。人権とは、人が「幸せに」生きる権利なのではないかと思います。そのためにまず自分自身の枠を超えて考えて行動する、自分で問い直すこと、気付くこと。それまでの物事の捉え方を根本的に変えることを「パラダイムシフト」と言いますが、そういったことが必要だと思いますし、そういう意味では、時間の枠を超えて考え、行動することも大切だと思います。

本日、日本被団協は68年間にわたり被害者の立場から核兵器廃絶を世界に訴える活動でノーベル平和賞を受賞します。時間の枠を超えた結果です。

この一週間の人権週間で書き続けたことは、ある意味当たり前のことが多かったかもしれませんが、ぜひその「あたりまえ」を見直すきっかけにしていただき、皆さんと共に、多くの人が笑顔になり、幸せに生きられる社会を、共に生きられる社会をつくっていければと思いますので、これからもよろしくお願いします。