KAISEIブログ
本日ここに、令和6年(2024年)度修了式を迎えました。
皆さんにとって、この一年はどんな年だったでしょうか。
そして、3年生は、本日無事に義務教育の課程を修了したことになります。おめでとうございます。本日ご列席の保護者のみなさま、今日まで数々のご苦労がおありだったとお察し申し上げます。まずはそのねぎらいを込め、お子様の義務教育終了をお慶び申し上げます。
さて、少し短い春休みを過ぎると、皆さんはそれぞれ1つ学年が上がります。
2006年の第73回NHK全国学校音楽コンクール中学校の部課題曲として作曲されました森山直太朗さんの作品で「虹」という曲があります。その歌詞の一部に、
♪僕らの出会いを 誰かが別れと呼んだ
僕らの別れを 誰かが出会いと呼んだ
僕らの喜びを 誰かが悲しみと呼んだ
僕らの悲しみを 誰かが喜びと呼んだ♪
対となるこのフレーズ。
でも、確かにそうだなって思います。そんなことの繰り返しの中で、私たちの人生は続いていきます。
昔の高名なプロ野球の監督が「勝ちに不思議の勝ちあり・負けに不思議の負けなし」と言っていたように、「失敗から学ぶ・反省する」のは良しとしても、とかく、私たちは「負け・失敗」に心痛め、失敗そのものを恐れたりしてしまいます。必要以上に悔やんだり、自分を偽ったり、時に相手を悪く言ったりもしてしまうのも、人間の弱いところです。
「グッドルーザー」、直訳すれば「よき敗者」。自らの負けを潔く認めつつ、勝者をリスペクトするこの心の中には、「結果は結果。互いに精いっぱい力を出し合った、一生懸命戦ったその健闘を称えあおう」という、スポーツマンシップの神髄ともいえる精神があります。
「挑戦したこと」そのものはとても意義深いもので、それを否定したり、悔やんだりはしないという心ともいえます。
昨日の6年ぶり日本開催となる米大リーグ公式戦、日本人5人の選手の活躍に象徴されるように、「互いに最高の場面で戦えあえた相手を、仲間としてたたえあう姿」ではなかったではないでしょうか。その姿が、私たちに「真剣に向き合うこと」と「互いを認め合うこと」の尊さを伝えてくれました。先に紹介した『虹』のフレーズも、そこに互いのリスペクトがあるから、より心に響くのです。どちらの瞬間もそれぞれにとって「大切な時間」であることは変わりないと、私は感じます。「自分が頑張ること」と「他人を認め合うこと」は決して相反するものではありません。
ぜひとも、皆さんが作り出す未来は、そんな、広い意味での「チームワーク」を発揮できる、世の中全体が「ワンチーム」であるって笑顔で言い合える社会になっていってほしい。これが、校長としての私の願いです。
「今、ここがスタートです」
自分の次の目標に向かってスタートするのは、いつでも、今ここからだということです。