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 : 吹奏楽部 コンクール結果と「素敵な夏の贈り物」
 投稿日時: 2011/08/11

第52回 全日本吹奏楽コンクール島根県大会 高校Aの部 銀賞受賞

「素敵な夏の贈り物」 作:顧問

 課題曲「シャコンヌS」がユーホの静かなソロで始まった。上々の出来である。やがて旋律はアルトサックス、そしてフルート・クラリネットに受け継がれ、徐々に盛り上がっていく…と思われたその時である。あるはずのスネアドラムの音がでてこないではないか!「何事か!」と視線を送ると、どうやらスネアドラムの響き線レバーが動かないようだ!静かな音楽の流れの中で、別の緊張が走った。シンバル担当者が自分の出番をあえて放棄し、必死でレバーを直そうとする…。このまま他のプレーヤーが負の連鎖反応を起こしてしまうのでは、と不安がよぎる。しかし、その後は良く持ちこたえてくれた。何とか課題曲を演奏し終え、彼らの大好きな自由曲「ロシアの皇太子セレクション」へ…。そして、12分のステージは終わった。

 この夏は、ドラマティックな展開が続いた。例えば、クラリネットは6人中、4人がリタイヤした。結果、たった2人のコンクールステージだった。1年生にとっては初めての夏の高校野球応援、猛暑の中吹き続け、体がついてこなかったのだろう。8月に入り、体を壊してしまった。コンクール直前の練習で、急きょパートの組み換えを行い、改めて音楽を作り直した。「できることをぎりぎりまでやろう」と声を掛け合って最後まであきらめずに知恵を出し合った。そうして向えた本番ステージ。気合のはいった演奏ができた。ハプニングはあったものの、演奏後の一人ひとりの笑顔に救われた。本当にすばらしいメンバーで演奏することができた、と心から思った。

 コンクールが終わって2日後の夜、再びメンバーは甲子園行きのバスの中に集った。コンクールで疲れ切っていただろうが、誰一人そんなそぶりを見せるものはいなかった。むしろ応援に行く喜びに満ちていた。応援当日、メンバー全員全力で応援をした。たくさんのOB,OGも駆けつけてくれた。そして結果は、5−0の快勝。すばらしい試合だった。開星の吹奏楽部は、松江第一高等学校時代、初めて甲子園に出場を決めたころ、産声を上げた。野球とともに泣き、笑い、そして感動を分かち合ってきた。これまで吹奏楽部を作ってきてくれた、たくさんのOB,OGとの思い出が走馬灯のように脳裏に浮かんだ。今、こうして当たり前に活動できることに改めて感謝である。