SSH事業の全体概要

本校が取り組む研究開発課題名

公益性を重視した科学系人材の育成をめざす道徳を核とした教育課程の開発実践

目的と目標

第1期に続き,公益性を重視した科学系人材育成の中高一貫の教育課程を開発実践するとともに,より汎用性のある教育課程として発展させることを目的とする。上記の目的達成のために,以下の3点を目標とし研究開発を行う。

  1. 中高生向けの科学技術者倫理を学ぶプログラムを開発し実践する。
  2. 開星SMILEプログラムを汎用性のあるカリキュラムに発展させる。
  3. 生徒の自己肯定感を醸成し,学びの実践が社会を変える力を持つ自覚を育てる。

研究開発の概要

第1期で開発したSMILEプログラムの汎用性を確立し,SMILEプログラムⅡの開発実践を行う。具体的には,中高一貫新コースの設立,中高生向け科学技術者倫理プログラムの開発,中高一貫の系統的校外研修,課題研究を軸とする社会との共創,国際化教育プログラムの実践,自然科学部の活動支援等を行う。

平成30年度の研究開発の仮説

  1. 理系生徒を対象とした中高生用の科学技術者倫理を基盤としたカリキュラムを実践することで,課題研究テーマと社会とのかかわりを意識するようになり,社会貢献を意識した研究者マインドが育つ。
  2. 全校生徒を対象とした探究型授業や課題研究を実施することで,研究テーマと社会とのかかわりを意識するようになり,自己肯定感の向上につながる。

研究開発の内容・実施方法・検証評価等

学校のこれまでの取り組み実績等

大学や研究所等関係機関との連携状況

島根大学

  • 開星 SSH 自然観察会を共同開発
  • 開星 SSH エネルギー研修を共同開発
  • 開星 SSH アメリカ研修を共同開発

島根県立大学

  • 総合探究「小泉八雲」に関する教科融合(英語・国語)授業を共同開発

金沢工業大学

  • 開星 SSH 金沢工業大学研修を共同開発 金沢工業大学科学技術応用倫理研究所
  • 中高生用科学技術者倫理の授業を共同開発開始

甲南大学フロンティアサイエンス学部

  • 教員研修の共同開発開始

三瓶自然館サヒメル

  • 開星 SSH 三瓶自然観察会を共同開発

中国電力

  • 中国電力島根原子力発電所
  • 島根原子力館
  • 開星 SSH エネルギー研修共同開発

アメリカ合衆国テキサス州の教育機関及び日米協会

  • Nolan Catholic High School
  • Dr. John D. Horn High School
  • Mesquite High School
  • TEXAS University
  • TEXAS A&M University

ダラスフォートワース日米協会

  • 開星 SSH アメリカ研修におけるプログラムの共同開発及び,共同研究

宍道湖自然館ゴビウスおよびホシザキグリーン財団

  • 開星 SSH 宍道湖生命研修共同開発開始

国際性を高める取り組み

第1期に於いて「国際共同研究の模擬体験による国際性の育成」をテーマとした海外研修を開発した。目的は,現地での活動を通して生徒の国際性及び英語でのプレゼンテーション能力を育成するとともに,地球規模での地質に関する理解を深めることであった。また,事前学習として,『開星 SSH 自然観察会』を実施し,地質に関する基本的な知識・理解を深めるとともに,フィールドワークの基本的な手技・手法を身に付けた。また『開星 SSH つくば研修』の実施により,日本の科学技術の現状についての理解を深め,英語で説明できるようにした。『SSH アメリカ海外研修』における具体的な活動としては以下のような活動を実施した。

  • 現地高校との連携による英語での発表会・ディスカッションの実施
  • Perot Museum of Nature and Science での研修による日米の自然科学の比較と発表
  • The Sixth Floor Museum での研修による日米の科学技術立国としての科学史比較
  • Fort Worth Stockyards National Historic District での研修による日米の科学史比較
  • Barnett Shale での研修による,米国の資源開発をテーマとした日米比較
  • Trinity River Greenbelt での地質学のフィールドワーク
  • TEXAS 大学訪問による日米の大学比較および,大学生とのディスカッション

テキサス州ダラスを中心に「地質学的特徴」,「水資源」,「油田開発」,「宇宙開発」 そして「食料」をキーワードとした科学史を,現地で学ぶ。それぞれのキーワードについては日本における科学史を事前研修で学習し,日米の比較を行いながら学ぶことでより深い理解が得られるように工夫している。

この研修によって科学知識と科学的見方・考え方等の学力を育成すると同時に,国際共同研究を行う態度の育成や英語でのディスカッション能力の育成,及び英語でのプレゼンテーション能力の育成を行っている。

科学部等課外活動の活動状況

  • 科学系部活動の種類
    自然科学部(平成17年創部 生物,化学,ものづくりを主とした活動)
    所属人数 中学校5名,高等学校9名(平成29年11月現在)
  • コンテスト,コンクール等への参加状況
    科学の甲子園島根県予選参加(毎年)
    科学の甲子園ジュニア島根県予選(第1回よりすべて参加)
    科学の甲子園ジュニア全国大会(第1回~第3回まで3回連続出場)
    中四国地区応用物理学会物理教育学会ジュニアセッション参加
    地学教育学会ジュニアセッション参加
    プラズマ・核融合学会第14回高校生シンポジウム最優秀賞(ポスター発表)

その他特記すべき事項

SPP(サイエンスパートナーシップ)採択状況

  • 平成18年度「命の大切さを考える生物~解剖実習を通して~」
  • 平成19年度「植物成分の分離・分析~カフェインの抽出実験を通して~」
          「命の大切さを考える生物Ⅱ~解剖実習を通して~」
          「宍道湖の生態系を考える生物Ⅰ~ヤマトシジミの食性を通して~」
  • 平成20年度「命の大切さを考える生物Ⅲ~解剖実習を通して~」
          「生命について考える~生物の発生を通して~」
          「香りの化学Ⅰ~エステル合成を通して~」
          「植物成分の分離・分析Ⅱ~カフェインの抽出実験を通して~」
  • 平成21年度「探求力を磨く生物学の授業~様々な染色法の実践を通して~」
  • 平成22年度「命を感じる発生学の授業」